SEO指標ここ10年の変化とAEOの時代の開始

2017年以前から2024年以降のSEOの進化を体系的に整理しました。

10年の変化、全く別次元のSEO

Googleの検索アルゴリズムは、この10年間で大きく価値基準を変化させた。特に 2017年、2022年、2024年には大きな転換点があり、全く別質になったといえます。
以下、時代ごとの変化を体系的に説明します。

① 2017年以前のSEO

キーワード至上主義と被リンク競争

この時期のGoogle検索は、定量的なキーワードの一致と被リンクの数が主要な評価基準だった。検索エンジンは文脈理解能力が低く、コンテンツの信頼性よりも量に依存していたと言えます。

特徴

・キーワードをタイトル・hタグ・alt属性に過度に盛り込む手法
・相互リンクやディレクトリ登録などの外部リンク獲得が評価
・中身が乏しい1000字程度の記事でも、量産すればランキングが上がる
・文書構造や専門性は評価対象外
・コンテンツの正しさより検索エンジンが読み取れるかが優先

Googleの価値基準

2000年代から2010年代前半はキーワードテキストがあればOKという単純なマッチング型の強調だった。

② 2014年以降:E-A-Tの登場

専門性・権威性・信頼性を基準とする品質の時代

Googleは誤情報リスクに対応するため、専門性、権威性、信頼性=E-A-T を強く重視する方向へ転換。

E-A-Tとは

E:Expertise(専門性)情報が専門知に基づいているか?執筆者がその領域の専門家か?
A:Authoritativeness(権威性)執筆者・企業が外部から評価されているか?被引用・言及・ブランド力など
T:Trustworthiness(信頼性)情報の正確性、運営体制・連絡先・ポリシーが明確か?安全性・透明性の担保など

Googleの価値基準

「誰が書いたのか」「なぜ信頼できるのか」
キーワードよりコンテンツ品質が重要視されはじめ、2017年に検索エンジンはこの評価軸が完全に実装された。

③2022年以降:E-E-A-Tへ

Googleはさらに、一次情報としての経験そのものを重要視するように変化。

E-E-A-Tの追加されたEとは

E:Experience(経験)実際に使用した、行った、測定した、体験した内容が含まれているか?レビューや比較記事で机上の空論ではなく一次情報かどうかが判定される

Googleの価値基準(E-E-A-T期)

専門知だけでなく、自分の目で見た経験含む情報を高く評価するようになり、総合してSEOは経験 × 専門性 × 権威 × 信頼の立体評価時代に突入。

④ YMYL領域強化

YMYL領域(YOUR MONEY YOUR LIFE)として、金銭・健康・安全・公的情報など、誤情報に深刻なリスクがある分野では、特にE-E-A-Tの評価が厳格に適用されるようになった。

主な該当領域

医療、健康 / 投資、税、保険 / 法律、公共政策 / 災害、安全情報 / 就職・教育
育児・レシピ(軽度だが衛生リスクがあるため対象)

YMYL領域での低品質情報は、ランキング低下だけでなく評価対象外になる。

2018年から2023年のSEOの変化を総括すると、外形的テクニックより 内容の信頼性が決定的に重要化、著者情報の提示、会社情報の透明性が必須になったといえる。
被リンクより内容、そしてコンテンツの論理構造が評価対象になった。

⑤2024年以降:AEO時代の開始

AIとユーザーの双方が理解できる意味構造を重視

2024年からGoogleは検索結果(検索エンジン)ではなく回答エンジン(Answer Engine)へ比重をシフト。そしてWEBページはAIが理解・引用するための構造を持つべきという価値観が明確になった。

1. 文書構造・アクセシビリティ・UX重視

AIが文章を理解するため、HTMLの構造は極めて重要となる。<div>タグだけで構築されたレイアウトが整っていればよかったページに、<main><article>などの厳格なルールが敷かれた。

主な変化

・意味構造重要視:特にhタグは文書の意味構造に厳密に従うことが必須。画像のaltの値においては空欄が正しい場合もある
・アクセシビリティ:ARIA属性・ボタンの意味的ラベルが評価対象
・意味の一貫性・論理構成の明確性がランキングに直結

AIが誤解しない構造が重要化

2. Core Web Vitals(CWV)とINPによるUX評価

CWVは以下の3つのUX指標を評価します。

LCP:最大表示要素の表示時間

CLS:レイアウトのズレ
INP:ユーザー操作→画面反応の速さ

これまではLCPとCLSが最重要のUX指標でしたが、2024年以降はとくにINPがUXの中心指標として検索評価に反映されるようになった。

3. SGE/Perspectives:AIが文章を直接引用する検索体験

Googleは検索結果にAI要約を組み込み、ページの内容をAIが直接引用して提示する方式へと移行しています。その結果、文章の読みやすさ、文脈の整合性、一次情報の質、これらすべてが、検索順位だけでなくAIの引用可否にも影響するようになりました。

まとめ:2024年以降のSEO総括

2024年以降のSEOは、もはや文章のうまさだけでは語れない領域に入りました。検索評価の中心は、次の3点にシフトしています。

  • 文書の意味構造(セマンティクス)の厳格なルール運用
  • アクセシビリティ対応の徹底
  • AIにとっても高齢者にとっても読みやすい文章構造

これらに加えて、UX指標(とくにINPを中心とした体験品質) と、従来通りのE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性) が並行して評価されています。つまりSEOは、キーワードを盛り込んだ文章を書く仕事から、構造化された情報を正しく設計・提示する職人芸 へと進化したと言えるでしょう。

検索環境は今後、これまで以上の速度で変化していきます。アルゴリズムの更新に追随できなければ、どれほど情報量が豊富でも、サイトの価値は短期間で簡単に目減りします。
しかし裏を返せば、構造を整え、意味を守り、信頼性とユーザー体験を丁寧に積み上げたサイトは、
それ自体が強力な差別化要因となり、長期的なデジタル資産に育つということです。

では、品質はどこを見ればいいのか。基本は Lighthouse / PageSpeed Insights のスコアを出発点にすればよいはずです。ここで表示される数値は、あくまで簡易的な準拠度ではあるものの、
パフォーマンス / アクセシビリティ / ベストプラクティ / SEOの技術的基礎
といった土台がどこまで整っているかを測る最低限のリトマス試験紙です。

これからのSEOとWEB戦略における、もっとも確かな競争優位は「基礎を丁寧に作り込む技術力と姿勢」に他なりません。

岡崎龍夫

Eclo編集長。デザイナー、エンジニア、コンサルタント、ライターなど様々な職域を持つがもともとは俳優。表方の舞台活動から裏方のアートマネジメントに移行し、都内で舞台のプロデュースを手がけてるうちに、デザイン、WEB開発、マーケティングといった職能を身につける。趣味はDJとアザラシ探訪。現在は合同会社elegirlを設立し、WEBの企画、開発、コンサルティングを中心に活動している。